ふと気づくと顔や体に半球状に膨らんだ赤いほくろできており、消す方法はないものかと考えている人もいることでしょう。

 

当記事では、赤いほくろは何なのかを解説します。赤いほくろは基本的に放置しても体への悪影響はないものですが、赤いほくろを治療する方法も説明するので、ぜひ参考にしてください。

 

赤いほくろは血管腫の一種

赤いほくろは「老人性血管腫」という血管腫の一種で、チェリースポットともいわれます。赤いほくろ(老人性血管腫)は、30代くらいからできるケースが多く、数ミリ程度の平坦もしくは盛り上がりのある赤いほくろ状のできものが顔、首、胸元、腕などに発生します。

 

赤いほくろを含め、血管腫は毛細血管の増殖によって出現しますが、毛細血管が増殖する原因は解明されていません。ただし、老人性血管腫に関しては、年齢とともに増えることから紫外線や摩擦、加齢や遺伝子が関連していると考えられています。

 

赤いほくろは良性腫瘍のため、そのままにしていても健康上の問題はありません。しかし、赤いほくろは自然消失しないので、見た目が気になる場合には皮膚科専門医に相談して適切な方法で治療するようにしてください。

 

赤いほくろを消す治療方法

赤いほくろを消す治療方法は、「凍結療法」「切開手術」「レーザー治療」です。

 

【赤いほくろを消す方法】

治療方法

詳細

凍結療法

・液体窒素で赤いほくろを凍結し破壊する方法

・患部に半年~2年程度色素沈着が残る可能性がある

切開手術

・赤いほくろをメスを切除し縫合する方法

・高周波メスでの切除は縫合及び抜糸が不要

レーザー治療

・レーザー医療機器で皮膚内の血管腫を破壊する方法

・皮膚へのダメージが少なく傷跡が残りにくい

 

赤いほくろの大きさや存在する部位および数によって適する治療方法は異なります。赤いほくろの除去方法に関しては皮膚科専門医に相談して決めることを検討してください。

 

凍結療法

赤いほくろを消す方法のひとつとして、凍結療法があります。凍結療法は、液体窒素を使用して赤いほくろである老人性血管腫を急速に凍結および破壊する治療方法です。

 

凍結療法は比較的小さな赤いほくろ消す場合に用いられることが多い治療方法です。凍結療法によって赤いほくろを消失させるには、1~2週間程度の感覚をあけて2~3回程度の治療を要することが一般的です。

 

凍結療法を行った患部はかさぶたとなり、半年~2年程度色素沈着が残る可能性があります。凍結療法は、治療部位の大きさによっては効果が得られない場合や跡が残る可能性がある治療方法といえるでしょう。

 

切開手術

赤いほくろが大きい場合や、他の疾患の可能性があり病理検査のために細胞を調べる必要がある場合は切開手術が行われます。

 

切開手術は、局所麻酔を使用し、赤いほくろをメスまたは円刃刀(パンチ)でくり抜き、縫合する方法です。病院によっては切開手術に用いられるメスにラジオ波を照射できる高周波メスを導入している場合もあり、出血を抑えながら切除を行います。この場合、切除後の縫合や抜糸が不要となる場合が一般的です。

 

術後経過には個人差がありますが、切開手術は治療部位に傷跡が残る可能性がある治療方法です。大きな赤いほくろの存在が気になって消したいと思っているものの傷跡を極力残したくない人は、他の治療方法での除去を専門医に相談してください。

 

レーザー治療

赤いほくろを消す方法としてレーザー治療もあります。レーザー医療機器は、皮膚の表面に直接ダメージを与えることなく皮膚内の血管腫である赤いほくろに直接作用して除去できる可能性があります。

 

【赤いほくろの治療に使用されるレーザー医療機器】

1㎚(㎚)=0.000001mm

種類

スポット径・波長

特徴

Vビームプリマ

スポット径:3~15mm

波長:595nm

・へモグロビン色素に反応するレーザー

・異常のある毛細血管のみを破壊できる

Nd:YAGレーザー

スポット径:2~10mm

波長:1064nm

・へモグロビン色素に反応するレーザー

・レーザーの波長が長く深部まで届く

炭酸ガスレーザー

スポット径:0.1~10 mm

波長:10,600㎚

・水分を含むものに吸収されるレーザー

・ほくろなどの組織を蒸散させ切除できる

 

Vビーム、YAGレーザーはいずれもヘモグロビン色素に反応し、異常のある毛細血管を破壊するレーザー医療機器です。また、炭酸ガスレーザーは皮膚を蒸散させ削り取る仕組みのため、Vビーム、YAGレーザーのいずれにも反応しない赤いほくろの治療に効果が期待できるでしょう。

 

レーザー医療機器による治療は皮膚の表面に直接傷をつけないため、凍結療法や切開手術と比較して治療部位の傷跡が残りにくいのが特徴といえます。

 

ただし、レーザー治療を行った場合にも治療部位に腫れや内出血が起こる可能性もあります。赤いほくろの大きさや状態によって適した機器や照射後の状態は変わってくるため、レーザー治療を希望する人は、専門医に相談することを検討してみましょう。

 

まとめ

赤いほくろは「老人性血管腫」という血管腫の一種です。赤いほくろは、チェリースポットともいわれ、30代くらいからできるケースが多く、数ミリ程度の半球上に盛り上がったできものが顔、首、胸元、腕などに好発します。

 

赤いほくろを消す方法は、「凍結療法」「切開手術」「レーザー治療」です。凍結療法や切開手術は跡が残る可能性がある治療法ですが、皮膚内の血管腫に直接作用するレーザー医療治療は皮膚の表面に直接傷をつけないため、凍結療法や切開手術と比較して治療部位の傷跡が残りにくい治療方法です。

 

なお、赤いほくろの大きさや存在する部位および数によって適する治療法は異なります。赤いほくろの除去方法に関しては皮膚科専門医に相談して決めるようにしましょう。