頬や鼻の周りに赤みがあり、改善する方法を模索している人もいることでしょう。肌の表面に毛細血管が見えている場合、毛細血管拡張症になっている可能性があります。

 

毛細血管拡張症の治療にはレーザーを用いるのが一般的です。また、悪化する前には対策することで毛細血管拡張症の進行を抑えられるケースもあります。

 

当記事では毛細血管拡張症の原因や治し方に関して解説します。毛細血管拡張症の特徴も説明するので、自身の顔の赤みが気になる場合はぜひ参考にしてください。

 

毛細血管拡張症の特徴は炎症を伴わない肌の赤み

毛細血管拡張症の特徴は、炎症を伴わない肌の赤みです。毛細血管は通常、肌の表皮の内側にある真皮に存在していますが、何らかの要因によって拡張すると血流量が増加し、肌の赤みとなって目視できる状態になります。

 

【毛細血管拡張症の特徴】

  • 毛細血管の拡張が持続している
  • 炎症を伴わない
  • 自然に消えない赤みがある

 

毛細血管拡張症には共通する症状があります。炎症を伴わない赤みがある、毛細血管が拡張した状態が持続している、自然治癒しない、というすべての特徴が当てはまる場合、毛細血管拡張症である可能性が高くなります。

 

一方、一時的な肌の赤みやニキビや肌荒れによる赤み、治療しなくとも赤みが消えた場合には毛細血管拡張症である可能性は低いといえるでしょう。

 

なお、毛細血管拡張症は、炎症を伴わない点で酒さと異なります。酒さの可能性がある肌の赤みの治し方を知りたい人は「赤ら顔の原因と治し方を解説」を確認してください。

 

毛細血管拡張症の原因

毛細血管拡張症を引きおこすメカニズムは解明されておらず、その原因は不明です。ただし、次のような要素が毛細血管拡張症を誘因すると考えらえれています。

 

【毛細血管拡張症を引きおこす誘因として考えられている要素】

・女性妊娠や薬の服用による女性ホルモンの増加

・寒暖差

・アルコールや香辛料の摂取

・ステロイド使用の副作用

 

妊娠中や女性ホルモンが配合された薬を服用した場合に多く見られることから、ホルモンバランスの変化が毛細血管拡張症を引き起こす誘因である可能性があります。また、寒暖差などの外的要因の他に、アルコールや薬物使用による生活習慣によって毛細血管が拡張されてしまう可能性も考えられます。

 

なお、これらはあくまでも一例であり、肌の赤みなどが毛細血管拡張症であるかどうかは医師の診断によります。毛細血管拡張症が疑われる症状があり、悩んでいる場合には、皮膚科専門医への相談を検討してください。 

 

毛細血管拡張症が気になる場合にできる対策

毛細血管拡張症の自然治癒は難しいものの、悪化しないようにするための対策があります。毛細血管拡張症の原因のひとつが肌への刺激や自律神経の乱れのため、肌のケア方法や生活習慣の見直しによって悪化を防ぐ対策ができます。

 

たとえば、肌に刺激を与えるスクラブの使用や強くこするような洗顔を避けることで毛細血管拡張症の悪化を抑えられます。冷水で肌を引き締めたり、お湯を使用した洗顔も、毛細血管が収縮したり拡張したりする原因となるため、急激な寒暖差を引き起こす様な洗顔は避けましょう。

 

また、交感神経の高まりによる血流増が起こらないよう、睡眠不足やストレスを解消し、自律神経を整えるようにしましょう。自律神経を整えることによって、毛細血管の拡張と収縮がコントロールできなくなるのを防ぐ効果も期待できます。

 

そのほか、紫外線には、毛細血管拡張症を悪化させる可能性があり、さまざまな肌トラブルの原因となります。毛細血管拡張症による赤みが気になる人は、日常的に日焼け止めや日傘などを使用し、紫外線対策を心がけてください。

 

毛細血管拡張症にはレーザー治療を行う

毛細血管拡張症は、レーザー治療によって改善できる可能性があります。毛細血管拡張症による赤みは自然治癒しない点が特徴で、生活習慣の改善や投薬などでは拡張した毛細血管は元に戻らない場合がほとんどであり、治療には外部的な刺激が必要になります。

毛細血管拡張症の治療に使用されるレーザー医療機器は、Vビームです。Vビームは、へモグロビン色素に反応する波長のレーザー医療機器で、異常のある毛細血管を収縮させたり破壊したりして、赤みを改善します。

毛細血管拡張症のレーザー治療は、複数回の照射によって改善が期待できるケースがほとんどです。レーザー治療での毛細血管拡張症の改善を希望する人は、専門医に相談して適切な処置を受けることを検討してください。

 

まとめ

毛細血管拡張症は、炎症を伴わない肌の赤みで、毛細血管が拡張した状態が持続しており、自然治癒しないのが特徴です。毛細血管拡張症の原因として考えられるのは遺伝などの体質、寒暖差、アルコールや香辛料の慢性的な摂取、怪我などです。

 

毛細血管拡張症の自然治癒は難しいものの、悪化しないようにするための対策があります。肌に刺激を与えることで赤みが強くなるのを避けるためにも、肌に摩擦を加えるような洗顔方法は避け、自律神経の乱れによる血管の収縮と拡張が行らないよう、ストレス解消や運動を心がけるようにしましょう。

 

毛細血管拡張症は自然治癒しないため、ヘモグロビン色素を吸収するレーザー医療機器によって改善できる可能性があります。ただし、毛細血管拡張症のレーザー治療は、複数回の照射を必要とするケースがほとんどなので、専門医に相談することを検討してください。