ニキビ跡によるクレーター肌を改善する治療法としてサブシジョンとダーマペンを検討するケースもあるでしょう。また、サブシジョンとダーマペンの併用を考えている人もいますよね。
当記事では、サブシジョンとダーマペンの併用に関して解説します。それぞれの違いや併用する場合の順番も説明するので、ぜひ参考にしてください。
サブシジョンとダーマペンはニキビ跡の凹みに異なるアプローチをする
サブシジョンとダーマペンは、ニキビ跡の凹みに対してそれぞれ異なるアプローチをします。サブシジョンはニキビ跡の凹みの原因にアプローチする施術であり、ダーマペンは表皮の凹みをなだらかにする効果が期待できる施術だからです。
サブシジョンは、開口部が広くなだらかな凹みが見られる「ローリングタイプ」のニキビ跡改善に効果できる治療です。医療針を用いてニキビ跡の凹みの原因である真皮層にできた瘢痕組織を切断し、ニキビ跡の凹みを改善します。
一方、ダーマペンは、凹みが比較的浅いクレータータイプのニキビ跡に効果が期待できる施術です。肌に微小な穴を空けることで肌本来の再生機能を刺激して、ニキビ跡による凹みの改善を促します。
クレータータイプのニキビ跡は、複数の種類が混在しているケースが多いため、肌の状態に応じて併用することで、より改善が期待できます。
サブシジョン
サブシジョンは、医療針を用いてニキビ跡の凹みを改善する治療法です。「クレーター」といわれるニキビ跡の凹みは、線維化によって硬くなってしまった組織が皮膚を引っ張ることによって生じています。サブシジョンは、皮膚へ斜めに医療針を刺し入れて扇状に動かし、線維化によって硬くなってしまった組織を切断します。
クレータータイプのニキビ跡は、凹みの深さや形状の違いによって3タイプに分類されますが、サブシジョンは、広い範囲でくぼんでいる「ローリング型」のニキビ跡の施術に適している治療法です。
なお、サブシジョンの効果や他の治療法との違いを確認したい人は、「サブシジョン」を参考にしてください。
ダーマペン4
ダーマペン4は、「マイクロニードル」という施術の一種です。マイクロニードルは、専用の針で皮膚に微細な穴を開け、創傷治癒力によって肌の状態を改善する施術です。ダーマペン4には、肌に浸透させる深さを0.1mm単位で変えられる16本の微細な針がついており、1秒間に1920個の穴を開け、創傷治癒力によって肌の状態を改善させます。
クレータータイプのニキビ跡は、凹みの深さや形状の違いによって複数のタイプが存在します。ダーマペン4の針は、皮膚の0.2mmから最大3.0mmの深さまで調整可能であるため、皮膚の真皮層に作用させることも可能なので、複数のクレータータイプのニキビ跡に対応します。
ただし、ニキビ跡の凹みが深い場合や、広い範囲でくぼんでいる場合には、複数回の施術が必要となります。そのため、凹みが深いタイプのニキビ跡を改善するためには、他の治療と併用したほうが効率的に改善できるといえるでしょう。
なお、ダーマペン4がどのように肌に作用するのかを確認したい人は、「ダーマペン4」を参考にしてください。
ポテンツァ
ポテンツァも、「マイクロニードル」の一種です。ポテンツァは、微細な針先から「高周波(RF)エネルギー」を照射でき、さらにマイクロニードルで空けた微細な穴から創傷治癒を促す薬剤を導入する「ドラッグデリバリーシステム」を備えています。
【ダーマペンとポテンツァの違い】
| 高周波(RF)エネルギーの照射 | ドラッグデリバリーシステム | ダウンタイム |
ダーマペン | 無 | 無 | 5~7日程度 |
ポテンツァ | 有 | 有 | 2~3日程度 |
ポテンツァとダーマペンとの違いは、RFエネルギーを使用するか否か、ドラッグデリバリーシステムを備えているか否かで、ポテンツアはいずれも備えています。ポテンツァは、高周波エネルギーとドラッグデリバリーシステムにより、肌の深部で熱を発生させ、コラーゲンとエラスチンの生成を促します。
そのため、ポテンツァは、ダーマペンの施術をうけたものの、期待できる効果を実感できなかった場合のより効果が期待できる施術としても用いられます。
ポテンツァは、ニキビ跡の凹みを改善するための治療法として、サブシジョンと併用される場合もあります。ポテンツァで皮膚表面、サブシジョンで皮膚深部へアプローチして、幅広い症状のニキビ跡を改善します。より少ない回数でダウンタイムを短縮しながら治療を完了したい場合にはポテンツア、コストを抑えながらニキビ跡の凹みを改善したい場合にはダーマペンが選択される傾向があります。
なお、ポテンツァの特徴や施術の流れを確認したい人は、「ポテンツァ」を参考にしてください。
サブシジョンとダーマペンを併用する場合の順番
サブシジョンとダーマペンを併用する場合、サブシジョンを先に行うようにしましょう。ダーマペンは、皮膚の表面にダメージを与えて修復時に凹みを盛り上げる治療であるため、修復する際に真皮層に凹みの要因となっている瘢痕組織があると充分な盛り上がりが期待できなくなるからです。
ダーマペンの施術を複数回行い、効果が得られなかった場合にサブシジョンに移行するケースも見られますが、サブシジョンが完了してからダーマペンの施術をうけるとより短期間でニキビ跡の凹み改善が期待できる可能性があります。
なお、サブシジョンとダーマペンの施術を同日に受けることも可能です。サブシジョンとダーマペンの施術を同日に行う場合は、それぞれを個別に行うよりも少ない施術回数でニキビ跡の凹みの改善が期待できるでしょう。
サブシジョンとダーマペンを併用する場合の施術回数目安
サブシジョンとダーマペンを併用する場合の施術回数目安は「症状」「最初から施術を併用するか」によって異なります。
ダーマペン10回程度、ポテンツァ6回、サブシジョン1~2回でニキビ跡の凹みが改善されたケースもあります。ただし、これらのケースはダーマペンで期待する効果が得られず、治療法をサブシジョンに移行した症例です。サブシジョンとダーマペンを同日に行った場合、2~6か月程度の間隔で、1~3回程度の施術によって凹みが改善された症例もあります。
ニキビ跡の凹みを改善するための治療法として、最初からダーマペンとサブシジョンを併用した場合は、治療回数や改善が見られるまでの期間を短縮できる可能性もあります。ダーマペンとサブシジョンの併用治療を検討する方は、両方の施術を行うことが可能な皮膚科専門医に相談してください。
まとめ
サブシジョンとダーマペンは、ニキビ跡の凹みに対してそれぞれ異なるアプローチをするため、併用できます。サブシジョンはニキビ跡の凹みの原因にアプローチする施術であり、ダーマペンは表皮の凹みをなだらかにする効果が期待できる施術です。
サブシジョンとダーマペンを併用する場合は、サブシジョンを先に行うようにしましょう。ダーマペンは、皮膚の表面にダメージを与えて修復時に凹みを盛り上げる治療であるため、修復する際に真皮層に凹みの要因となっている瘢痕組織があると充分な盛り上がりが期待できなくなるからです。
サブシジョンとダーマペンを併用する場合の施術回数目安は「症状」「最初から施術を併用するか」によって異なります。ニキビ跡の凹みを改善するための治療法として、最初からダーマペンとサブシジョンを併用した場合、治療回数や改善が見られるまでの期間を短縮できる可能性もあります。
ダーマペンで期待する効果が得られずサブシジョンの施術を検討している方や、ダーマペンとサブシジョンの併用治療を検討する方は、ニキビ跡の凹みを改善する治療を行っている皮膚科専門医に相談してください。