マンジャロ(チルゼパチド)はGLP-1/GIPダブルアゴニストとして強力な減量効果が報告される一方、吐き気や急性膵炎など無視できない副作用があります。海外では死亡例の報告もあります。なお、マンジャロの国内承認適応は2型糖尿病のみで、当院でのダイエット目的の使用は医学的適応外の自費診療です。本記事では副作用と危険性を整理して解説します。
こんなお悩みはありませんか?
- ✓副作用怖い
- ✓死亡例があるって本当?
- ✓吐き気はいつまで?
- ✓重篤な症状の見分け方
結論:副作用は起こりうるため、使用は医師の診察のもとで判断します
マンジャロは、吐き気・嘔吐・下痢・便秘などの消化器症状が報告されています(頻度は用量や試験によって異なります)。海外では、急性膵炎や腸閉塞を含む死亡例の報告があります。
個人輸入や自己判断での増量が背景にある事例も含まれる可能性があります。医療機関では、問診で使用できない方を確認し、2.5mgから段階的に増量し、症状を確認しながら進めます。
副作用がまったくない薬ではないため、使用するかどうかは、診察でリスクとあわせて判断します。
マンジャロの作用機序と副作用が起きる理由
マンジャロはGLP-1受容体とGIP受容体の両方に作用する、世界初のダブルアゴニスト製剤です。インスリン分泌促進・グルカゴン抑制・胃排出遅延・食欲中枢への作用などが知られています。
副作用の多くはこの作用機序そのものに由来します。胃排出が遅れることで吐き気や便秘が、食欲抑制で食事量低下による脱水が起こりやすくなります。半減期が約5〜6日と長いため(添付文書)、症状が数日続くことがあります。
頻度の高い副作用:消化器症状が中心
国内の2型糖尿病の患者さんを対象とした長期投与試験(52週・経口血糖降下薬との併用・チルゼパチド5mg・10mg・15mgを週1回、443例)では、副作用が全体で5mg群43.2%、10mg群52.4%、15mg群63.5%に認められました(添付文書の臨床成績より)。主なものは次のとおりです。
- 悪心(吐き気):8.8〜25.7%(用量が高いほど高い傾向)
- 便秘:7.4〜14.2%
- 食欲減退:7.4〜12.2%
- 下痢:8.1〜10.9%(10mg・15mg)
- 嘔吐:9.5%(15mg)
- 消化不良・腹痛、注射部位の反応
これは2型糖尿病の患者さんでの数値であり、ダイエット目的で使用する方での頻度とは異なる可能性があります。
症状の出方や続く期間には個人差があります。増量のたびに症状が再び出ることもあります。当院では症状が強い場合、増量を見送るか前用量に戻す判断を行います。
吐き気はいつまで続くのか
症状の出方や続く期間には個人差があります。増量時にも同様の症状が起こることがあります。つらい場合は我慢せず、早めにご相談ください。脂っこい食事を避け、少量頻回の食事と十分な水分補給で、軽減することがあります。
注射は痛いのか
マンジャロは細い針の皮下注射で、痛みの感じ方には個人差があります。腹部・大腿・上腕に自己注射しますが、毎回部位を変えることが、しこりや痛みの予防に役立つ可能性があります。
特に注意が必要な副作用・リスク(添付文書より)
以下が報告されています。急性膵炎は0.1%未満、そのほかの多くは頻度不明とされています。早期発見が重要です。
- 急性膵炎:持続的な激しい腹痛・背部痛・嘔吐。特に注意が必要です
- 胆石症・胆嚢炎・胆管炎:腹痛などがある場合は、検査が必要になることがあります
- 低血糖:他の糖尿病治療薬(特にSU薬・インスリン製剤)との併用時に注意
- 脱水・急性腎障害:嘔吐・下痢による脱水がきっかけになることがあります
- 重いアレルギー反応(アナフィラキシー・血管性浮腫)
- イレウス(腸閉塞を含む):高度の便秘・腹部膨満・持続する腹痛・嘔吐
持続する強い腹痛・嘔吐・発熱・皮膚や白目の黄染・呼吸困難があれば直ちに医療機関を受診してください。
死亡例について:海外で報告あり、原因と背景を整理
米国FDAの有害事象報告システム(FAERS)には、チルゼパチドなどのGLP-1/GIP受容体作動薬の使用後に死亡した事例の報告が含まれます。この報告は薬剤との因果関係を証明するものではなく、原因が特定されていない事例も多くあります。報告された事例には、次のようなものが含まれます。
- 急性膵炎の重症化
- 腸閉塞・イレウス
- 嘔吐に伴う誤嚥性肺炎
- 全身麻酔手術時の胃内容物誤嚥
ただし、これらの報告には、個人輸入や自己判断での使用、既往症の見落とし、警告症状の放置などが背景にある事例も含まれる可能性があります。
個人輸入では偽薬・温度管理不良・副作用時の医療連携が困難で、リスクが高まります。医療機関で処方を受けてください。
自由診療・適応外です。費用とリスクは、本ページ末尾の「マンジャロ治療の情報」をご確認ください。
使用できない方・慎重に判断する方
診察・問診で確認します。以下は、添付文書(2026年9月改訂)をもとに整理したものです。
使用できない方(禁忌)
- マンジャロの成分に過敏症の既往がある方
- 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡、1型糖尿病の方
- 重症感染症、手術等の緊急の場合
投与しないこととされている方
- 妊婦・妊娠している可能性のある方(妊娠中はインスリン製剤を使用することが示されています。妊娠を希望される方、妊娠する可能性のある方は、投与中および最終投与後1か月間の避妊が必要です)
慎重に判断する方
- 膵炎の既往がある方
- 重症胃不全麻痺などの重度の胃腸障害がある方
- 低血糖を起こすおそれがある方(脳下垂体機能不全・副腎機能不全、栄養不良、不規則な食事、食事量の不足、激しい筋肉運動、過度のアルコール摂取など)
- 腹部手術やイレウスの既往がある方
- 全身麻酔や深い鎮静を予定している方
- 糖尿病網膜症・糖尿病黄斑浮腫のある方
- 授乳中の方(母乳中へ移行することがあり、乳児への影響は不明です)
- 高齢の方
- 甲状腺髄様癌の既往・家族歴、多発性内分泌腫瘍症2型(MEN2)の家族歴のある方(安全性が確立していません)
併用に注意が必要な薬:経口避妊薬(投与開始初期や増量後は効果が弱まるおそれがあります)、ワルファリン、インスリン製剤やスルホニルウレア(SU)薬などの糖尿病治療薬(低血糖)。
体重が過度に減少した場合は、減量または中止を検討します。投与開始時のBMIが23kg/m²未満の方での有効性と安全性は、検討されていません。
当院での副作用予防と緊急時対応
千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科では、安全性を最優先に以下の体制で処方しています。
- 初診時の問診:禁忌・既往歴・併用薬を確認
- 2.5mgからの段階的増量:各用量を最低4週間継続し、副作用を評価
- 食事・水分指導:脱水と消化器症状の予防
- 定期フォロー:症状チェックと体重・体調モニタリング
- 緊急時のご相談:強い腹痛・嘔吐があるときは、診療時間内にお電話ください(千里中央 06-6872-1200)。診療時間外で症状が強い場合は、救急医療機関を受診してください
オンライン診療の場合の対応は、診察でご説明します。
他のGLP-1作動薬・SGLT2との比較で副作用を考える
体質や生活スタイルに応じた選択肢があります。
- リベルサス(経口GLP-1・毎日)
- ウゴービ(GLP-1注射・週1):肥満症で条件付き保険適用
- サクセンダ(GLP-1注射・毎日)
- オゼンピック(GLP-1注射・週1):糖尿病保険適用
- マンジャロ(GLP-1/GIP注射・週1)
当院では、経口のSGLT2阻害薬ダパグリフロジン(自由診療・適応外)も処方しています。費用・副作用・使用できない方は専用ページに記載しています。併用は低血糖・脱水リスクで慎重判断となります。
FAQ:マンジャロの副作用についてよくある質問
Q1. 吐き気が辛くて続けられそうにありません。どうすれば?
無理は禁物です。医師にご相談ください。増量を見送る、前用量に戻す、制吐薬を併用するなどの対応が可能です。脂っこい食事を避け、少量頻回の食事に切り替えるだけでも、軽減することがあります。
Q2. 副作用が出たら自己判断で中止してよいですか?
軽度でも自己判断で続けず、医師にご相談ください。強い腹痛・持続する嘔吐・呼吸困難・黄疸などは直ちに中止し医療機関を受診してください。
Q3. 個人輸入のマンジャロは副作用が強いのですか?
偽薬・規格違い・温度管理不良などで品質が保証されず、想定外の有害事象リスクが高まります。副作用発生時の医療連携も困難です。医療機関での処方をお勧めします。
Q4. 手術や内視鏡検査の予定があります。続けて大丈夫ですか?
マンジャロは胃排出を遅らせるため、麻酔時の誤嚥リスクが指摘されています。手術・内視鏡予定がある場合は事前に主治医と当院にお知らせください。一時休薬の判断を行います。
Q5. 副作用が怖くて始められません。始める前に確認することは?
マンジャロの減量目的での使用は国内では適応外で、自由診療です。まずは医師の対面またはオンライン診療で使用できない方に当てはまるかどうか、既往歴、併用薬を丁寧に評価します。最低用量2.5mgから始め、副作用を確認しながら進めます。副作用の出方には個人差があります。
大阪・全国でマンジャロ対面とオンラインのハイブリッド処方なら|千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科
当院は大阪府豊中市・千里中央駅近くの、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・日本抗加齢医学会専門医が在籍するクリニックです。マンジャロは医学的適応外の自費診療となりますが、安全性を最優先にした段階的増量と継続フォローを行っています。
全国どこからでもオンライン診療に対応しており、副作用が不安な方にも丁寧にご説明します。料金・診療内容の詳細はhanafusa-hifuka-beauty.com/treatment/mounjaro/、副作用解説の続編はhanafusa-hifuka-beauty.com/disease/痩身/mounjaro/をご覧ください。
副作用が心配な方は、自己流ではなく、医師の診察のもとで判断してください。
マンジャロ治療の情報(自由診療)
- 診療の区分:自由診療(保険適用外)です。マンジャロの国内承認(2023年4月)は2型糖尿病のみで、ダイエット(痩身)目的の使用は適応外です。適応外使用のため、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
- 治療内容:BMIを計算したうえで、マンジャロによる治療が必要と医師が判断した方に処方します。週1回、ご自身で皮下注射します。2.5mgから開始し、4週間以上の間隔で段階的に増量します(添付文書の用法に基づきます)。診察は、対面またはオンラインで行います。
- 費用(税込):診察料は対面1,100円(オンライン診療は無料)。マンジャロ注射は1本あたり、2.5mg 5,940円・5.0mg 9,900円・7.5mg 14,300円・10.0mg 18,700円・12.5mg 22,000円・15.0mg 25,300円です。別途、配送料(全国一律・箱小1,650円/箱大2,200円)と、使用済み針の回収費用(600円。条件により無料)がかかります。詳細は料金ページをご確認ください。
- 主なリスク・副作用:悪心・嘔吐・下痢・便秘・食欲減退などの消化器症状、急性膵炎、胆石症・胆のう炎・胆管炎、低血糖(他の糖尿病治療薬との併用時)、脱水に伴う急性腎障害、重いアレルギー反応、イレウス(腸閉塞)、注射部位の反応など。症状の出方や程度には個人差があります。投与開始時のBMIが23kg/m²未満の方での有効性と安全性は検討されていません。
- 使用できない方:成分に過敏症の既往がある方/糖尿病性ケトアシドーシス・糖尿病性昏睡・1型糖尿病の方/重症感染症・手術等の緊急の場合/妊婦・妊娠している可能性のある方(投与しないこととされています)。慎重に判断する方は、前掲の「使用できない方・慎重に判断する方」をご確認ください。
- 入手経路:国内正規品を、医師の判断で入手しています。
- お問い合わせ:千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科 06-6872-1200
出典:日本イーライリリー「マンジャロ皮下注アテオス 添付文書」(2026年9月改訂・PMDA)/米国FDA 有害事象報告システム(FAERS)公開データ
本記事の監修・執筆
花房 崇明(はなふさ たかあき)
理事長・皮膚科専門医/千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・日本アレルギー学会認定アレルギー専門医・日本抗加齢医学会専門医








