しわを改善する注射として有名なのがボトックス注射です。マイクロボトックスは、ボトックス注射と同じボツリヌストキシン製剤を使用し、小ジワや毛穴の縮小、肌質改善など様々な効果の期待できる治療です。
今回は、マイクロボトックスについて解説します。
マイクロボトックスとは
マイクロボトックスは、シワ治療で使われるボツリヌストキシン製剤を、皮膚の浅い部分へ微量に細かく注射する施術です。
ボツリヌストキシン製剤とは、ボツリヌス菌から抽出されるタンパク質で、神経伝達物質であるアセチルコリンの分泌を阻害し、筋肉の働きを弱めます。通常のボトックス注射では、表情筋に直接作用させることで、眉間や額、目尻など表情筋の収縮によって出来るシワを改善、予防することができます。
一方、マイクロボトックスは、ボツリヌストキシン製剤を皮膚の浅い部分へ注射することで、薬剤が拡散し、筋膜まで浸透します。筋膜に達することで、筋肉の表面繊維だけの動きが抑えられ、さらに皮脂腺や汗腺にも働きかける役割があります。表情筋そのものに直接作用するわけではないため、不自然な表情になったりすることもありません。つまり、筋肉の大きな動きはそのままで、筋肉表面の動きのみを抑制して、自然な表情を保ちながら、さまざまなエイジング効果が得られるため、近年注目されている治療です。
マイクロボトックスがおすすめな人
マイクロボトックスは、下記のような方におすすめです。
毛穴の開きが目立ち、気になる
小ジワやちりめんじわが気になる
脂性肌を改善したい
皮脂やテカリが気になる
顔の赤みが気になる
若々しくハリや弾力のある肌を目指したい
肌質を改善したい
マイクロボトックスの効果
マイクロボトックスでは下記のさまざまな効果が得られます。
自然な表情を保ちながら、シワや小ジワを改善する
皮脂分泌や顔の汗を抑制する
開いた毛穴を引き締め、滑らかな肌へと改善する
酒さの赤ら顔や火照り感を改善する
肌質を改善する
(1)自然な表情を保ちながら、シワや小ジワを改善する
マイクロボトックスでは、皮膚の浅い部分にボツリヌストキシン製剤を注射するため、表情筋に直接作用することはなく、筋肉の表面繊維のみの働きが抑えられます。そのため、表情が作りにくくなったり、まぶたが重くなる、笑いにくくなるなどの不自然な表情になることなく、シワや小ジワを改善します。表情筋そのものに作用するわけではないことから、はっきりとした表情ジワの改善には通常のボトックス注射が望ましいですが、自然にシワを浅くしたいという方にはマイクロボトックスがおすすめです。額や口角、目周りなどの小じわ、ちりめんジワにもマイクロボトックスが非常に効果的です。
(2)皮脂分泌や顔の汗を抑制する
マイクロボトックスは、皮脂腺や汗腺にも働きかけます。
ボツリヌストキシンは、アセチルコリンという神経伝達物質の放出を抑えることで作用します。アセチルコリンは、筋肉の収縮を引き起こすだけでなく、自律神経の活動にも深く関与しています。皮脂腺や汗腺は、自律神経系の影響を受けており、アセチルコリンを介して活動が刺激されます。そのため、ボツリヌストキシンを注入することで皮脂腺や汗腺の活動が低下し、皮脂や汗を抑える効果が期待できます。脂性肌やニキビの予防・改善、顔の汗に悩んでいる方にも有効です。
(3)開いた毛穴を引き締め、滑らかな肌へと改善する
毛穴は、皮脂の量が多く皮脂腺が詰まることで開いていきます。マイクロボトックスは、皮脂腺や汗腺の働きを抑え、皮脂や汗の量を抑えます。これにより、毛穴が詰まりにくくなり、徐々に引き締まっていきます。また、毛穴の開きには肌の表面にある毛包筋などの、細かい筋肉の緊張も関係しています。マイクロボトックスにより、これらの筋肉の緊張を緩和させることで毛穴周辺の肌が引き締まり、滑らかな肌へと導きます。
(4)酒さの赤ら顔や火照り感を改善する
ボツリヌストキシンは、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を抑制することで血管の過剰な拡張を抑えると考えられています。これにより、顔面の血管拡張による発赤や火照りを抑える効果が期待できます。また、酒さの原因は完全には解明されていないことが多いですが、神経系が血管を拡張させ、顔の赤みや火照り、炎症を引き起こすとも言われています。ボツリヌストキシンは、この神経活動を調整することで症状の改善に寄与する可能性が考えられています。
(5)肌質を改善する
マイクロボトックスは、皮脂腺や汗腺の働きの抑制や皮膚の表層の細かい筋肉の緊張緩和などから、皮膚が引き締まり、弾力やハリが向上します。皮脂の分泌が減少するため、顔のテカリが減少し、毛穴が目立ちにくくなります。
肌質の改善には、時間がかかるため、マイクロボトックスの効果を維持する必要があります。
マイクロボトックスの効果の持続期間やダウンタイム
(1)効果と持続期間
マイクロボトックスの効果は、施術後2~3日で現れ始め、約2週間で効果が安定します。持続期間は、個人差がありますが約4~5ヶ月です。2回目以降は、筋肉が休まる時間が続くために、効果の持続期間が多少長くなるとも言われています。
ただし、一度の注射で多量を打つから持続期間が長くなるということはありません。一度に多量に打ったり、間隔を開けずに何度も注射を打つことで、副作用の可能性が高まったり、体内で中和抗体がつくられ、ボツリヌストキシン製剤の効果が効かない身体になってしまうことがあります。必ず、適正な間隔で施術を受けるようにしましょう。
また、マイクロボトックスは、永久に効果が持続するものではありません。施術を受けてから、時間の経過とともに効果は弱まっていき元の状態に戻ります。効果を維持するためには、定期的に繰り返し打つことが大切です。4~5ヶ月に1回、およそ年3回ほど打つことで年中、効果を保つことができます。
(2)ダウンタイム
マイクロボトックスは、極細の針で皮膚の浅い場所に注射をするため、ダウンタイムがほとんどない施術です。施術直後は、注射をした部分に蚊に刺された時の盛り上がりのような膨疹や軽度の腫れがありますが、24時間以内には消退します。
注射の施術のため、ごく稀に、内出血が生じることがあります。内出血は、注射をした部位に小さな青あざができることがあり、2週間ほどで消失します。翌日からはコンシーラーなどのメイクで隠すことができます。
施術の当日~数日は、注射したボトックスの過剰な拡散を防ぐために、注射部位をこすったり、揉んだりすることは避け、刺激を与えないようにしましょう。
(3)料金
マイクロボトックス注射は、医療保険が適用されない自由診療となります。
料金は下記の通りです。
現在、導入キャンペーンを実施しておりますので、この機会にぜひご検討ください。
マイクロボトックス(マイクロボツリヌストキシン)注射
費用税込 | 導入キャンペーン | |
---|---|---|
両頬部 | 33,000円 | 29,800円 |
前額部 | 33,000円 | 29,800円 |
下顎部 | 16,500円 | 14,800円 |
眉間 | 16,500円 | 14,800円 |
両こめかみ | 22,000円 | 19,800円 |
鼻 | 22,000円 | 19,800円 |
全顔 | 55,000円 | 49,800円 |
前頸部 | 33,000円 | 29,800円 |
マイクロボトックスのリスクと副作用、注意事項
(1)リスク、副作用
マイクロボトックスには下記の副作用やリスクがあります。
内出血、注射跡
注射時の痛み
表情の変化
頭痛や吐き気
眼瞼下垂や複視
アレルギー反応
通常のボトックス注射では、まぶたが重い、つっぱり、笑いにくいなどの表情の変化のリスクが挙げられますが、マイクロボトックスでは微量を細かく注射するためそのような副作用が起こることは極めて少ないです。このような副作用は、特に初めてボトックス注射を受ける方に起こりやすいですが、通常1~2週間で軽減します。稀に、ボツリヌストキシン製剤により、顔を動かす筋肉のバランスが一時的に不安定になることが原因で、頭痛や吐き気、だるさなどが起こることがあります。市販の鎮痛剤などで対応できることもありますが、1週間ほど経っても改善しないようであれば医師に相談しましょう。
(2)注意事項
マイクロボトックスは、ボツリヌストキシン製剤を使用する施術です。通常のボトックス注射と同様に男女ともに避妊の必要な施術です。ボツリヌストキシン製剤が胎児に影響を及ぼす可能性が全くないとは言い切れないため、施術後は女性の場合、2回の月経が終わるまで、男性の場合は3ヶ月の間の避妊をするようにしましょう。妊娠中の方、授乳中の方、妊娠の可能性がある方は施術を受けることができません。施術を検討している方は、パートナーや医師とよく相談して計画的に治療を進めましょう。
また、ボツリヌストキシン製剤のアレルギーがある方、他の部位にてボトックス注射の治療中の方は施術を受けられません。その他、心疾患や肝・腎疾患のある方、慢性的な呼吸器障害のある方、重症筋疾患のある方、閉塞隅角緑内障のある方、注射部位の感染症のある方、抗凝固薬を内服中の方、筋弛緩剤を内服中の方は症状によって施術を受けられない場合があります。医師によくご相談ください。
まとめ
マイクロボトックスは、通常のボトックス注射とは違い、自然な表情を保ちながら小ジワや肌質の改善などさまざまな効果が期待できる治療です。滑らかで凹凸のない肌を作り、肌の引き締め、リフトアップ効果も期待できます。また、ダウンタイムも少ないため、多くの方に人気の治療です。深いしわには通常のボトックス注射、浅いしわや小ジワにはマイクロボトックスと使い分けるのもおすすめです。
マイクロボトックスは注射の打ち方によって効果に差が出る場合があります。医師の知識や技術力など信頼できる医師を選んで施術を受けることが大切です。