「シミ取りでピコスポットを考えているけれど、肝斑にも効くの?」とお悩みの方は少なくありません。結論からお伝えすると、肝斑にピコスポットは原則NGです。高出力照射で肝斑が悪化するリスクがあるためです。本記事では大阪府豊中市・千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科の皮膚科専門医が、肝斑にピコスポットを行わない理由と、混在シミへの正しい治療順序を解説します。

こんなお悩みはありませんか?

  • 肝斑も一緒に取れる?
  • 肝斑なのにピコスポット勧められて不安
  • シミの種類が混在
  • 順番はどうすべき?

結論:肝斑にピコスポットは行いません

肝斑は摩擦や紫外線、女性ホルモンの影響で生じるシミです。強い刺激で悪化する性質があり、高出力で色素を粉砕するピコスポットは適応外となります。

当院では肝斑に対して、低出力で広範囲に当てるピコトーニングトラネキサム酸内服を基本としています。老人性色素斑と肝斑が混在する場合は、まず肝斑を落ち着かせてから、ピンポイントのシミにピコスポットを行う順序が安全です。誤って肝斑へ高出力を当てると、色素沈着が濃くなることがあります。

ピコスポットとは?基本のしくみ

ピコスポットは、ピコ秒(1兆分の1秒)単位の超短パルスレーザーで、シミの色素を狙い撃ちして粉砕する治療です。当院では米国Cynosure社製のピコシュアプロ(755nmアレキサンドライト)を使用しています。

従来のナノ秒レーザーと比べ、熱ダメージが少なく、炎症後色素沈着(PIH)のリスクを抑えやすいのが特徴です。ただし、肝斑のように刺激で悪化する病態には不向きです。

当院で使用する機器について

  • ピコシュアプロは未承認医療機器です
  • 米国Cynosure社より輸入し、医師の責任のもと使用しています
  • 同種のピコ秒レーザー機器には国内承認を受けているものもあります
  • 米国FDA認可機器であり、重大な副作用報告は限定的ですが、効果や反応には個人差があります

なぜ肝斑にピコスポットがNGなのか

肝斑に高出力レーザーを当てると、メラノサイトが刺激され、シミがかえって濃くなることがあります。これは肝斑の最大の特徴です。

肝斑悪化の主なメカニズム

  • 高出力照射による炎症が、メラノサイトを活性化
  • 炎症後色素沈着(PIH)が肝斑部位に重なる
  • 一時的に薄く見えても、数週間〜数か月で再燃

肝斑は「触れず・刺激せず」が原則です。ピコスポットは1ショットあたりの出力が高く、肝斑部位には適しません。

肝斑の標準治療:ピコトーニング+内服

肝斑には、低出力・広範囲のピコトーニングと内服治療の組み合わせが標準です。

ピコトーニング

ピコシュアプロを低フルエンスで全顔に照射し、メラニンを少しずつ排出します。1〜2週間隔で複数回行うのが一般的です。

トラネキサム酸内服

メラノサイトの活性化を抑え、肝斑の色調を改善します。一般的に1日750〜1500mgを数か月継続します。血栓リスクのある方は使用できません。

外用・スキンケア

  • ハイドロキノンやトレチノインの外用
  • 日焼け止めの徹底使用
  • 洗顔・クレンジング時の摩擦回避

シミが混在する場合の治療順序

顔のシミは、1種類だけとは限りません。老人性色素斑、肝斑、ソバカス、ADM、後天性真皮メラノサイトーシスなどが混在することは珍しくありません。

正しい治療ステップ

  1. ダーモスコピーで鑑別診断:シミの種類を見極めます
  2. 肝斑がある場合は先に治療:ピコトーニング+内服で安定化
  3. 老人性色素斑にピコスポット:肝斑が落ち着いてから個別照射
  4. アフターケア:遮光・保湿で再発予防

順序を誤ると、肝斑部位への誤照射で色素沈着が長引くことがあります。鑑別が曖昧なまま一律に高出力を当てる治療は、当院では行いません。

誤照射のリスクと専門医診断の重要性

シミ取り放題などの定額プランでは、短時間で多数のシミを照射する都合上、鑑別が十分に行われないリスクがあります。これは医療制度上の批判ではなく、医学的事実として知っておくべき点です。

誤照射で起こり得ること

  • 肝斑部位への高出力照射による悪化
  • ADMなど真皮メラニンへの不適切照射
  • 悪性病変の見落とし
  • 炎症後色素沈着の遷延

当院では皮膚科専門医がダーモスコピーで1つずつ鑑別し、適応のあるシミにのみピコスポットを行います。詳細は/treatment/picospot/のページもご参照ください。

FAQ|よくあるご質問

Q1. 肝斑にピコスポットを当てたら必ず悪化しますか?

必ずではありませんが、悪化リスクが高いため当院では行いません。反応には個人差があり、数週間後に色素沈着が現れることもあります。

Q2. 肝斑と老人性色素斑が混在しています。どう治療しますか?

まず肝斑をピコトーニングと内服で安定化させ、その後に老人性色素斑へピコスポットを行います。順序が安全性のカギです。

Q3. 肝斑だけ内服で治せますか?

トラネキサム酸内服と外用、遮光で改善する方もいます。ただし完全に消えるとは限らず、ピコトーニング併用で効果が高まる傾向があります。

Q4. ピコトーニングとピコスポットは同日にできますか?

肌状態によります。肝斑が活動性の時期はピコスポットを避け、トーニング中心で進めます。診察で個別に判断します。

Q5. 他院でピコスポットを勧められましたが、肝斑があり不安です。

セカンドオピニオンとしてご相談ください。ダーモスコピーで鑑別し、肝斑があれば順序を整えてご提案します。

大阪・豊中で受けるなら|千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

当院は大阪府豊中市新千里東町、千里中央エリアにある皮膚科・美容皮膚科です。皮膚科専門医がダーモスコピーで1つずつシミを鑑別し、肝斑の有無を確認したうえで治療方針をご提案します。

ピコスポットの料金は1cm 16,500円(税込)/診察料1,100円です。混在シミの治療順序や肝斑のご相談も承ります。詳しくは/treatment/picospot/をご覧ください。

当院の特徴

  • 皮膚科専門医による正確な鑑別診断
  • ピコシュアプロによるスポット・トーニング両対応
  • 内服・外用を組み合わせた総合的な肝斑治療
  • 誤照射リスクを抑えた1点ずつの丁寧な照射

本記事の監修・執筆

花房 崇明(はなふさ たかあき)

理事長・皮膚科専門医/千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・アレルギー専門医

医師プロフィール