「最近抜け毛が増えた」「生え際や頭頂部が薄くなってきた」とお悩みではありませんか。AGA(男性型脱毛症)は加齢や疲れだけが原因ではなく、明確な医学的メカニズムが解明されている疾患です。

結論からお伝えすると、AGAの最大の原因はDHT(ジヒドロテストステロン)という男性ホルモンです。本記事では、テストステロンから5α-還元酵素を介してDHTが作られる流れと、ヘアサイクルが乱れる仕組みを、皮膚科専門医・アレルギー専門医がわかりやすく解説します。

こんなお悩みはありませんか?

  • AGAって何が原因で起きるの?
  • DHTって聞いたことあるけど何?
  • 遺伝で運命が決まるの?
  • 生活改善でAGAは予防できる?

結論:AGAの原因はDHT(ジヒドロテストステロン)です

AGAの直接的な原因は、男性ホルモンテストステロンが5α-還元酵素によって変換されたDHTです。DHTが毛包内のアンドロゲン受容体に結合すると、ヘアサイクルの成長期が短縮され、毛が太く長く育つ前に抜けてしまいます。この状態が続くと、産毛のような細く短い毛ばかりになり、結果として薄毛が進行します。AGAは進行性のため、早期に医療機関で適切な治療を受けることが重要です。

AGAとは?正常なヘアサイクルとの違い

AGA(Androgenetic Alopecia:男性型脱毛症)は、思春期以降の男性に発症する進行性の脱毛症です。日本人男性の約30%が発症するとされ、年齢が上がるほど発症率は高まります。

正常なヘアサイクル

髪の毛には「成長期(2〜6年)」「退行期(2〜3週間)」「休止期(3〜4ヶ月)」のサイクルがあります。通常、髪の約90%は成長期にあり、太く長く伸び続けます。

AGAで起こるヘアサイクルの異常

AGAでは成長期が数ヶ月〜1年程度に短縮されます。十分に成長する前に退行期へ移行するため、毛が細く短いまま抜け落ち、軟毛化が進行します。

AGAの原因の核心:テストステロン→5α-還元酵素→DHTの流れ

AGA発症の中心メカニズムは、男性ホルモンの変換プロセスにあります。順を追って見ていきましょう。

ステップ1:テストステロンが毛包に到達

テストステロンは精巣で約95%が産生される主要な男性ホルモンです。血流に乗って全身に運ばれ、毛包にも到達します。テストステロン自体は薄毛の直接原因ではなく、むしろ筋肉や骨の発達に必要なホルモンです。

ステップ2:5α-還元酵素がテストステロンをDHTに変換

毛包内に存在する5α-還元酵素が、テストステロンをより活性の強いDHTに変換します。DHTはテストステロンの約3〜5倍の強さでアンドロゲン受容体に結合する力を持っています。

ステップ3:DHTがアンドロゲン受容体に結合

毛乳頭細胞のアンドロゲン受容体にDHTが結合すると、脱毛シグナル(TGF-β、DKK-1など)が産生され、毛母細胞の増殖が抑制されます。これによりヘアサイクルが短縮し、軟毛化が進みます。

5α-還元酵素Ⅰ型とⅡ型の違い

5α-還元酵素にはⅠ型とⅡ型の2種類があり、それぞれ存在部位と治療薬の作用が異なります。AGA治療を理解するうえで非常に重要なポイントです。

項目5α-還元酵素Ⅰ型5α-還元酵素Ⅱ型
主な存在部位皮脂腺・側頭部・後頭部前頭部・頭頂部の毛乳頭
AGAへの関与中程度非常に強い
関連症状皮脂分泌増加・脂漏生え際・頭頂部の薄毛
阻害する薬デュタステリドフィナステリド・デュタステリド

フィナステリドの作用:Ⅱ型のみ阻害

フィナステリドは5α-還元酵素Ⅱ型を選択的に阻害し、DHTを約70%減少させます。臨床試験では1年間の服用で約87.1%に改善が認められたと報告されています。

デュタステリドの作用:Ⅰ型+Ⅱ型を阻害

デュタステリドはⅠ型とⅡ型の両方を阻害し、DHTを約90%以上減少させます。フィナステリドで効果が不十分だった方や、より強い効果を求める方に選択されます。

遺伝とAGAの関係:AR遺伝子多型による感受性

結論として、AGAの発症には遺伝的素因が強く関与します。ただし「遺伝だから諦める」必要はありません。

アンドロゲン受容体(AR)遺伝子多型

X染色体上にあるAR遺伝子の多型により、DHTへの感受性が個人で異なります。CAGリピート数が少ない人ほどDHT感受性が高く、AGAを発症しやすい傾向が報告されています。

母方の遺伝の影響

AR遺伝子はX染色体上にあるため、男性は母親から受け継ぎます。「母方の祖父が薄毛だと遺伝しやすい」と言われる根拠の一つです。ただし、父方からの遺伝的要素も無視できず、複数の遺伝子が関与しています。

遺伝があっても治療で進行を抑えられる

遺伝的素因があっても、DHTの産生を抑える内服治療や、発毛を促すミノキシジル外用により、進行抑制と発毛が期待できます。

生活習慣・ストレスとAGAの関係

結論として、生活習慣はAGAの直接原因ではありませんが、進行を加速させる要因になり得ます。

ストレス

慢性的なストレスは血行不良や自律神経の乱れを招き、毛包への栄養供給を妨げます。また、コルチゾール上昇がヘアサイクルに悪影響を与える可能性があります。

睡眠不足

成長ホルモンは睡眠中に多く分泌されます。睡眠不足は毛母細胞の修復を妨げ、AGAの進行を後押しします。

食生活

過度な脂質摂取は皮脂分泌を増やし、頭皮環境を悪化させます。亜鉛・タンパク質・ビタミン類をバランスよく摂取することが重要です。

喫煙・過度な飲酒

ニコチンは血管を収縮させ、毛包への血流を低下させます。アルコール代謝にも亜鉛が消費されるため、過度な飲酒は髪の成長に不利です。

AGAと間違えやすい他の脱毛症

抜け毛の原因がすべてAGAとは限りません。以下のような疾患もあり、皮膚科専門医による鑑別が必要です。

  • 円形脱毛症:自己免疫が原因で、境界明瞭な脱毛斑が突然出現
  • 脂漏性脱毛症:脂漏性皮膚炎に伴うびまん性脱毛
  • 休止期脱毛症:出産後・大病後・強いストレス後に起こる一時的脱毛
  • 牽引性脱毛症:強い結髪などによる物理的脱毛

当院は皮膚科専門医・アレルギー専門医が在籍しているため、AGA以外の脱毛症や、頭皮の脂漏性皮膚炎・接触性皮膚炎などの皮膚疾患も同時に診療できます。

よくある質問(FAQ)

AGAは何歳から始まりますか?

早い方では10代後半〜20代から発症します。20代で約10%、30代で約20%、40代で約30%、50代以降で約40%以上の男性に発症するとされています。気になる症状があれば早めの受診をおすすめします。

DHTを完全になくすことはできますか?

完全にゼロにすることはできませんし、推奨もされません。DHTは前立腺や生殖機能にも関わるホルモンのため、治療では適切に減少させてヘアサイクルを正常化することを目指します。

AGAは自然に治りますか?

AGAは進行性疾患のため、自然治癒は期待できません。何もしなければ徐々に進行します。早期に治療を開始するほど良好な結果が得られやすいと報告されています。

フィナステリドとデュタステリドはどちらが良いですか?

初期治療ではフィナステリドが第一選択となることが多く、効果が不十分な場合や進行が早い方にはデュタステリドが検討されます。当院では診察のうえ、患者様の状態に合わせて選択します。

生活改善だけでAGAは予防できますか?

生活改善は進行を緩やかにする可能性はありますが、根本原因であるDHTの作用を抑えることはできません。本格的な予防・治療には医療機関での内服・外用治療が必要です。

女性にもAGAは起こりますか?

女性にはFAGA(女性型脱毛症)があります。男性と異なりびまん性に薄くなる特徴があり、原因や治療薬も一部異なります。当院ではFAGAの診療や夫婦受診にも対応しています。

オンライン診療でもAGA治療は受けられますか?

はい、当院ではLINEビデオ通話による初診からのオンライン診療に対応しており、全国どこからでも受診可能です。2回目以降は電話診察も選択できます。お薬は自宅へ配送いたします。

大阪・豊中でAGA治療を受けるなら|千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

当院は大阪府豊中市・千里中央エリアにある皮膚科専門医・アレルギー専門医が診療を行うクリニックです。AGA治療において以下の強みがあります。

  • 皮膚科専門医・アレルギー専門医による診療:副作用時の皮膚症状やアレルギー反応にも幅広く対応
  • LINEビデオ通話オンライン診療:初診から全国対応、2回目以降は電話診察も可能
  • FAGA(女性型脱毛症)診療・夫婦受診プログラムに対応
  • SKIファーマ製ジェネリックのフィナステリド30日5,500円〜の透明料金
  • デュタステリド・ヴェラルティスVL15ローション(高濃度ミノキシジル外用)も取扱
  • 同成分の海外医薬品もご用意(※医薬品副作用被害救済制度の適応外です)
  • 脂漏性皮膚炎・接触性皮膚炎など一般皮膚科疾患も同時診療可能

料金の詳細は当院料金表をご覧ください。AGAは進行性疾患のため、気になり始めた時が治療開始の好機です。お気軽にご相談ください。

本記事の監修・執筆

花房 崇明(はなふさ たかあき)

理事長・皮膚科専門医/千里中央花ふさ皮ふ科・美容皮膚科

日本皮膚科学会認定皮膚科専門医・アレルギー専門医

医師プロフィール