ニキビ跡を改善したいと考えており、治療方法としてフォトフェイシャルを検討している人もいますよね。フォトフェイシャルとは、メラニン色素・ヘモグロビン色素・水分に吸収されるIntense Pulsed Lightという光を用いたIPL光治療の機種名です。
当記事では、フォトフェイシャルとはどのような治療機器なのか、その概要するとともに、どのようなニキビ跡に効果があるのか解説します。ご自身のニキビ跡の治療に向くかどうかを判断するうえでの参考にしてください。
フォトフェイシャルとはIPL光治療の機種名
フォトフェイシャルは、ルミナス・ビー・ジャパン株式会社が登録商標しているIPL光治療の機種名です。そのため、フォトフェイシャルという名称で取り扱いがない病院やクリニックでも、IPL光治療やその他の名称で取り扱っている場合もあります。
光治療機器は、光の種類によって「IPL」と「BBL」があり、フォトフェイシャルにはIPLが用いられています。フォトフェイシャルに用いられるIPL光治療は、メラニン色素・ヘモグロビン色素・水分に吸収されるIntense Pulsed Lightという光を用いた治療機器です。
【IPL光治療機の機種例】
機種名 | 波長域 | 特徴 |
M22(フォトフェイシャル)|ルミナス・ビー・ジャパン株式会社 | 560 – 1200 nm |
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(フォトフェイシャル)|ルミナス・ビー・ジャパン株式会社 | 515-1200 nm |
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ヴィーナスヴェルサ|株式会社ヴィーナスコンセプトジャパン | 515-950nm |
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cellec(セレック)V|Jeisys Medical Japan(ジェイシスメディカルジャパン)株式会社 | 420-1200 nm |
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| 530-950nm |
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limelight(ライムライト)|Cutera(キュテラ)社 | 500-1200 nm |
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フォトフェイシャルをはじめとするIPL光治療機器は、光のエネルギーを熱に変え、シミや赤みの原因となるメラニン色素やヘモグロビン色素などに作用し、肌トラブルを改善します。さらにIPLの光は、水分であるコラーゲンに吸収され、コラーゲンの生成を促します。
フォトフェイシャルの照射によって、シミ・そばかす・肝斑・肌の赤みの改善や、肌のハリ・つや感をアップさせる効果が期待できます。ニキビ跡を含め、肌に複数の悩みを抱えている場合、フォトフェイシャルの継続的な照射によって、肌全体の状態の改善が期待できるでしょう。
なお、千里中央花ふさ皮ふ科・江坂駅前花ふさ皮ふ科では、フォトフェイシャルの機種名を示す「M22」「Stellar M22」やフォトフェイシャルと同じ効果が期待できる「BBL光治療」を提供しています。BBL光治療の効果や特徴の詳細は「BBL光治療」をご確認ください。
フォトフェイシャルとレーザー治療の違い
フォトフェイシャルとレーザー治療は、光の種類や、物体への吸収率を左右する光の長さを示す「波長」、照射時の1回の照射時間(時間幅)を示す「パルス幅」以外にも違いがあります。
レーザー治療には複数の種類がありますが、ここでは、シミ・肝斑の治療に用いられるメドライトC6という機械を使用した「レーザートーニング」とフォトフェイシャルを比較します。
【フォトフェイシャルとレーザートーニングの違い】
| フォトフェイシャル | レーザートーニング |
照射する光 | 幅が広い波長(500〜1200nm)のIPL | 単一かつ長い波長(1064nm)のレーザー |
向く治療 | 複数の肌トラブルを改善したい場合に向く ● シミ、そばかす ● 小じわ、ハリ不足 ● ニキビ跡、赤ら顔など | 改善したい部位がある場合に向く ● シミ、そばかす、肝斑の改善 ● 毛穴、黒ずみの改善 ● 肌のハリ感 |
痛み | 輪ゴムをはじいた程度 | 輪ゴムをはじいた程度 |
ダウンタイム | 殆どなし ※シミ、そばかすに照射し、かさぶたができた場合は1週間〜10日程度 | 殆どなし ※シミ、そばかすに照射し、かさぶたができた場合は1週間〜10日程度 |
施術回数の目安 | 5~10回程度 | 5~10回程度 |
フォトフェイシャルは肌の複数の悩みを解決したい場合、レーザートーニングは局所的に治したい部分がある場合に向いています。いずれもダウンタイムや照射回数の目安はほぼ同じですが、ぞれぞれ異なる目的に向く施術といえるでしょう。
なお、肌に負担がかかるためフォトフェイシャルとレーザートーニングを同日に受けることはできません。互いに4週間以上の間隔を空けて照射するか、レーザートーニングで改善したい部位を治療してから、フォトフェイシャルで肌全体の悩みを改善していくようにしましょう。
フォトフェイシャルで赤み・色素沈着タイプのニキビ跡改善が期待できる
フォトフェイシャルで「赤み」「色素沈着」タイプのニキビ跡改善が期待できます。フォトフェイシャルは、赤みの原因であるヘモグロビン色素、色素沈着の原因であるメラニン色素を破壊し、コラーゲン生成を促す作用があるからです。
フォトフェイシャルには複数の機種があり、赤みのあるニキビ跡の改善には毛細血管を破壊できる「ステラM22」や「Nordlys(ノーリス)」、色素沈着タイプのニキビ跡改善にはメラニン色素に反応する「フォトSR」が向く可能性があります。
さらに、ニキビ跡は複数のタイプが混在している場合もあるため、フォトフェイシャルでのニキビ跡治療を検討する場合には、皮膚科専門医の診断を受け、自身のニキビ跡のタイプを見極めてから治療を開始しましょう。
フォトフェイシャルによるニキビ跡治療への照射回数目安
フォトフェイシャルによるニキビ跡治療への照射回数目安は、ニキビ跡の種類や症状によって異なります。フォトフェイシャルを、4週間に1回程度の間隔で、3~5回以上照射するとニキビ跡が改善されるケースが多く見られます。
ただし、半年以上定期的にフォトフェイシャルを照射してもニキビ跡が改善されない場合には、他の治療法が向く可能性があります。フォトフェイシャル以外のニキビ跡の治療法は複数存在するため、フォトフェイシャルを継続的に照射しても改善されない人は、皮膚科専門医に相談することを検討してください。
フォトフェイシャルでのニキビ跡治療を検討する場合の注意点
フォトフェイシャルでニキビ跡治療を検討する場合に、把握しておきたい注意点があります。
【フォトフェイシャルでニキビ跡治療を行う際の注意点】
施術前 |
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施術中 |
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施術後 |
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フォトフェイシャルは、色素沈着が起こる可能性があるため、日焼け肌への照射はできません。また、妊娠している可能性のある人や、てんかん発作がある人は照射できない場合があります。
フォトフェイシャルと併用することでシミになる可能性があるトレチノイン(レチノイン酸)は照射の1週間前程度、炎症を起こす可能性があるハイドロキノンは照射の3日前程度から使用を控える必要があります。
フォトフェイシャルの照射中は軽い痛みがあり、照射後まれに赤み・腫れ・かゆみなどが出る可能性があります。照射後に赤み・腫れ・かゆみが出ても、当日もしくは翌日には引くケースがほとんどなので、照射部位をこすったり刺激を与えないようにし、よく冷やすようにしましょう。
フォトフェイシャルの照射後、一時的にシミが濃くなる場合がありますが、1週間程度で薄くなります。ただし、フォトフェイシャルを照射した後は、日焼けをしてしまうとかえってシミが濃くなる可能性もあります。フォトフェイシャルの照射後1ヶ月程度は、季節を問わず紫外線対策を行うようにしてください。
フォトフェイシャル以外のニキビ治療法
皮膚科専門医で受けられるニキビ跡の治療法は、フォトフェイシャル以外にも複数存在します。フォトフェイシャルの照射で改善されない場合や、ニキビ跡のタイプが「赤み」「色素沈着」以外の場合、他の治療法が適するケースもあります。
たとえば、赤みを帯びたニキビ跡の治療法として、ヘモグロビン色素に反応する「Vビーム」が挙げられます。ニキビ跡の赤みは「毛細血管の増殖」が要因となっていることが考えられるため、Vビームの照射により、赤みの原因である毛細血管を破壊できます。
また、色素沈着タイプのニキビ跡の治療法として、熱エネルギーで色素沈着の元となっているメラニン色素を破壊する「レーザートーニング」などがあります。
ほかにも、皮膚科で受けられるニキビ跡の治療法には「内服薬や外用薬」「ピーリング施術」「マイクロニードル」「レーザー治療」などがあります。それぞれの施術内容に関して知りたい人は、「ニキビ跡をきれいに治すためのケアと治療法を解説」を確認してください。
まとめ
フォトフェイシャルは、ルミナス・ビー・ジャパン株式会社が登録商標しているIPL光治療の機種名です。IPL光治療は、メラニン色素・ヘモグロビン色素などに作用し、肌トラブルを改善する治療法です。
フォトフェイシャルは、メラニン色素・ヘモグロビン色素などに作用するため「赤み」「色素沈着」タイプのニキビ跡改善が期待できます。ただし、フォトフェイシャルには、施術前・施術中・施術後に関する注意点があるため、ニキビ跡治療を検討する場合に把握しておくようにしましょう。
なお、ニキビ跡の治療法は、フォトフェイシャル以外にも複数存在します。フォトフェイシャルの照射で改善されない場合や、ニキビ跡のタイプが「赤み」「色素沈着」以外の場合、他の治療法が適するケースもあるため、皮膚科専門医に相談してください。