ニキビ跡に悩んでおり、イソトレチノインでの治療が可能かどうか知りたい人もいるのではないでしょうか。また、ニキビ跡とともにニキビを改善したい人もいますよね。
当記事では、イソトレチノインの効果に関して解説します。イソトレチノインの副作用についても言及するので、ぜひ参考にしてください。
イソトレチノインはニキビ跡の治療には効果が期待できない
イソトレチノインはニキビ跡の治療には効果が期待できません。イソトレチノインは、ニキビや酒さ(赤ら顔)を改善する治療薬だからです。そのため、ニキビがニキビ跡にならないためにイソトレチノインで治療するのは有用です。
米国食品医薬品庁(FDA)や厚生労働省では、一般使用者向け情報においてイソトレチノインを「難治性のニキビ治療薬」としています。セルフケアや皮膚科でニキビの治療を継続しているにもかかわらずなかなか治癒しないニキビを改善するための治療薬であるといえます。
ニキビ跡の治療を検討しており、新たにできたニキビを治療したい場合には、治療法のひとつとして検討するのも一案でしょう。ただし、イソトレチノインは自由診療での処方となり、取り扱いのある医療機関が限られているため、皮膚科専門医に相談してから服用を検討しましょう。
イソトレチノインの効果
イソトレチノインは「アキュテイン」などの商品名でニキビ治療に用いられている内服薬です。イソトレチノインは、皮脂の分泌を抑える作用とともに、アクネ菌に対する抗菌作用や抗炎症作用があるため、ニキビの改善やニキビの炎症を抑える効果が期待できます。
【イソトレチノインの商品名】
- アキュテイン(ACCUTANE)
- アクネトレント(AKNETRENT)
- アクノティン(ACNOTIN)
- アムネスティーム(AMNESTEEM)
- イソトロイン(ISOTROIN)
- クララビス(CLARAVIS)
- ソトレット(SOTRET)
- ロアキュテイン(ROACCUTANE
※欧米での販売名
イソトレチノインそのものはビタミンAの一種です。服用により、2か月から6か月程度服用してニキビが改善されるケースが多く見られます。
なお、イソトレチノインは、日本では未承認の薬ですが、アメリカでは1982年に承認されており、欧米では35年以上前からニキビ治療に用いられています。
イソトレチノインの副作用
イソトレチノインには中等度から軽度の副作用があります。
【イソトレチノインの副作用】
胎児や妊婦への影響 | 精神疾患 |
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参考:アキュテイン(ACCUTANE)(わが国で未承認の難治性ニキビ治療薬)に関する注意喚起について|厚生労働省
イソトレチノインは、妊娠中や妊娠を考えている人、骨が発達段階にある小児は服用できません。さらに、厚生労働省では、服用期間中とその後1ヶ月間の妊娠、授乳、献血は避けるよう注意喚起しています。
ほかにも、イソトレチノインとの関係性が明確にされていない副作用が起こる可能性もあるため、イソトレチノインでのニキビ治療を検討している人は、専門医とよく話し合ってから服用するようにしましょう。
ニキビ跡は種類によって治療法が異なる
ニキビ跡の種類によって治療法は異なります。ニキビ跡の種類を「赤み」「色素沈着」「凹凸(クレーターやケロイド)」の3種類にわけて治療法を紹介します。
【ニキビ跡の種類と治療の例】
ニキビ跡の種類 | 赤み | 色素沈着 | 凹凸(クレーターやケロイド) |
自然治癒 |
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治療の例 |
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※ケロイドの場合 |
ニキビ跡は、いずれもニキビの炎症によるものです。そのため、赤みを帯びたタイプや色素沈着がみられるタイプのニキビ跡は、生活習慣の改善などによって肌のターンオーバーを促すことで数か月から年単位で自然治癒する場合があります。
ただし、ニキビ跡がクレーターやケロイドになっている場合には、肌のターンオーバーによって自然治癒しない場合がほとんどです。自力でのニキビ跡治療や肌質改善に効果がみられない場合は、専門医に相談することを検討してください。
まとめ
イソトレチノインは「アクネトレント」「ロアキュタン」などの商品名のニキビ治療に用いられている内服薬です。イソトレチノインは、ニキビを改善する治療薬であり、ニキビ跡の改善には効果が期待できません。
イソトレチノインは、皮脂の分泌を抑える作用、アクネ菌に対する抗菌作用、抗炎症作用があるため、ニキビの改善やニキビの炎症を抑える効果が期待できます。ただし、イソトレチノインは、医師の処方せんまたは指示書がないと服用できないため注意が必要です。
なお、ニキビ跡には複数の種類があり、種類や状態によって治療法は異なります。数か月から1年程度前に炎症が治まったニキビ跡がなかなか改善しない場合には専門医に相談することを検討してください。