重症ニキビに対するAviClear(アビクリア)によるレーザー治療とは
院長
花房 崇明(はなふさ たかあき)
[ 資 格 ]
- 医学博士(大阪大学大学院)
- 日本皮膚科学会皮膚科専門医
- 日本アレルギー学会アレルギー専門医
- 日本抗加齢医学会専門医
- 難病指定医
[ 所属学会 ]
- 日本皮膚科学会
- 日本アレルギー学会
- 日本小児皮膚科学会
- 日本抗加齢医学会
- 日本美容皮膚科学会
監修者
花房崇明
1. AviClearとは
AviClear(アビクリア)とはレーザーを用いた新しいニキビ治療です。これはFDA(アメリカ食品医薬品局)によって承認された初めてのレーザー治療であり、特に中等度から重度のニキビに効果を発揮するとされています。2025年に日本にも導入される予定です。
2. AviClear(アビクリア)の特徴
AviClear(アビクリア)は1726nmの波長のレーザーの力を利用して、ニキビの原因である皮脂腺を選択的にターゲットにして皮脂線に直接作用し、処方薬を必要とせずにニキビを根本からできなくさせます。1726nmの波長は皮脂腺に存在する水分や脂肪分に吸収されやすい特性があります。アビクリアは針や切開、注射を必要とせず、レーザーによる光エネルギーだけで効果を発揮します。この1726nmの波長は、治療後のダウンタイムがほとんどないというメリットがあります。
3. AviClear(アビクリア)の治療方法
1ヶ月から1 ヶ月 半(4-6週間)の間隔をあけて、30 分間の短いレーザー照射を含む治療セッションを 3 回行います。
4. AviClear(アビクリア)のダウンタイム
AviClear には、治療中の皮膚温度をモニタリングし、皮膚温度が上がらないようにコントロールするAviCool™が装備されています。わずかにパチパチという感覚を感じることがあります。アメリカでの臨床試験では、痛みなどが原因で、治療を中止したりする必要はありませんでした。
5. Aviclear(アビクリア)の治療効果
アメリカでの臨床試験ではAviClear (アビクリア)で治療した患者の 92% は、治療後 1年(12 か月)でニキビが少なくとも半分解消しました。また、治療が終了してから数か月経っても、時間の経過とともにニキビによる症状が改善し続ける可能性があります。
6. Aviclear(アビクリア)が対象となるニキビ
アダパレン(ディフェリン)、過酸化ベンゾイル(ベピオ)、アダパレンと過酸化ベンゾイル(エピデュオ)などの塗り薬による保険適用のニキビ治療で治らないニキビや、上述の塗り薬が刺激やかぶれ(接触皮膚炎)などが原因で使えない、塗れない場合はAviclear(アビクリア)による治療が適応になるでしょう。また重症ニキビにはイソトレチノインによる治療https://hanafusa-hifuka-beauty.com/treatment/isotretinoin/が有効ですが、イソトレチノインが内服できない場合(催奇形性や成長期のため、身長が伸びなくなリスクがある場合など)はAviclear(アビクリア)による治療が適用になるでしょう。
参考文献
Matteo Giuseppe Scopelliti PhD, Amer Hamidi-Sakr PhD, Sönke Möller PhD, Michael Karavitis PhD, Amogh Kothare MS. Selective photothermolysis in acne treatment: The impact of laser power. J Cosmet Dermatol. 2024 Feb;23(2):457-463.