ニキビ跡を改善したいと考えており、保険適用内で医師の指導の下、安全かつ確実に治す方法を知りたいと考えている人もいるでしょう。

 

当記事ではニキビ跡の保険適用治療に関して解説します。ご自身のニキビ跡や肌の状態によって保険適用での治療を受けられる場合もあるので、ぜひ参考にしてください。

 

ニキビ跡の治療は原則として保険適用外

皮膚科で行われているニキビ跡の治療にはさまざまな種類がありますが、ニキビ跡の治療は原則として保険適用外です。ニキビ跡を治すことは、見た目を改善するための治療だからです。

 

【保険適用外となるニキビ跡の治療例】

  • イオン導入
  • ケミカルピーリング
  • マイクロニードル
  • 光治療
  • レーザー治療

 

ニキビ跡の治療方法は複数ありますが、イオン導入やケミカルピーリング、光治療やレーザー治療などは保険適用外となります。一方、内服薬や外用薬を用いた治療は保険適用で受けられます。

 

さらに、ニキビ跡には「赤み」「色素沈着」「クレーター」「ケロイド」の種類があり、ケロイドタイプのニキビ跡の場合、保険適用で受けられる治療もあります。

 

ケロイドタイプのニキビ跡は保険適用となる治療もある

ケロイドタイプのニキビ跡の場合は、保険適用で受けられる治療もあります。

 

【ケロイドタイプのニキビ跡の治療例】

保険適用内

保険適用外

  • 内服薬の処方
  • ビタミン剤、抗生剤、トラニラスト(リザベン®)など
  • ステロイド注射
  • ステロイドテープ
  • ステロイド軟膏
  • ボトックス注射
  • レーザー治療
  • シリコンジェルシート

 

ケロイドタイプのニキビ跡を改善するための治療法は複数ありますが、皮膚科医によってニキビ跡がケロイド体質によるものであると診断された場合、内服薬の処方やステロイド薬注射は保険適用で受けられます。一方、ボトックスの注射を用いた治療法などは、ケロイド体質であっても保険適用外となります

 

なお、ケロイドには複数の治療法があります。投薬以外の治療法を確認したい人は「Vビームはケロイドを改善できる?治療の回数目安を解説」を参考にしてください。

 

保険適用のニキビ治療によってニキビ跡の治癒が促進される場合もある

現在ニキビができている場合や治りかけのニキビがある場合は保険適用で各種の治療を受けるといいでしょう。保険適用でのニキビの治療は、肌のターンオーバーを促進させる効果が期待できるものも含まれており、結果的にニキビ跡の自然治癒が促される可能性があるからです。

 

【保険適用で受けられるニキビ治療の例】

外用薬

<ニキビ治療薬>

  • エピデュオゲル(アダパレン過酸化ベンゾイル)
  • ディフェリンゲル(アダパレン)
  • デュアック(クリンダマイシンリン酸エステル水和物過酸化ベンゾイル)
  • ベピオ(過酸化ベンゾイル)

<抗菌外用薬>

  • クリンダマイシンゲル(ダラシンゲル)
  • ゼビアックスローション(オゼノキサシン)
  • ナジフロキサチンクリーム(アクアチムクリーム・ローション)

内服薬

<抗菌薬>

  • ミノマイシン(ミノサイクリン塩酸塩)
  • ビブラマイシン(ドキシサイクリン塩酸塩水和物)
  • ロキシスロマイシン

<ビタミン剤>

  • ビタミンA
  • ビタミンB2、ビタミンB6
  • ビタミンC
  • ビタミンE

<漢方>

  • 加味逍遥散(かみしょうようさん)
  • 荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)
  • 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
  • 清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)

 

ニキビの治療に用いられる外用薬は、抗菌作用や古い角質をはがれやすくする作用、毛穴のつまりを解消する作用を組み合わせたものです。また、ニキビの治療に用いられる内服薬は抗菌剤やターンオーバーを促すためのビタミン剤、体質を改善することで症状を緩和させるための漢方です。

 

ビタミン剤の服用やニキビ治療の施術を受けることで、肌のターンオーバーが促進され、自然治癒が促される効果も期待できるため、ニキビ跡の改善にもつながるでしょう。

 

なお、ニキビの保険適用内の治療は初診料や診察料を入れても5,000円以内でおさまるケースがほとんどです。保険適用でのニキビ跡の治療を希望しており、完治していないニキビがある人は皮膚科専門医の診断を受けることを検討してください。

 

保険適用での治療が難しい場合のニキビ跡の治療法

保険適用での治療が難しい場合にニキビ跡を改善する方法として、セルフケアと皮膚科での自由診療があります。

 

セルフケアは現在ニキビができている場合や今後ニキビができた際に行うものです。一方、セルフケアを継続してもニキビ跡が改善しない場合には皮膚科での治療によって改善が期待できるケースもあります。

 

「ニキビができているか」「ニキビ跡ができてどれくらい時間が経過しているか」によって、適切な治療法を選択しましょう。

 

ニキビを悪化させないためのケアを行う

ニキビを悪化させないためのケアを行うようにしましょう。ニキビによる炎症が悪化すると、ニキビ跡になりやすくなるからです。

 

【ニキビを悪化させないためのセルフケア例】

  • ニキビを触ったり潰したりしない
  • 適度な運動や入浴を行い、血行を促進させる
  • バランスの良い食生活を心がける
  • 睡眠不足になるのを避け、質の良い睡眠をとる
  • こまめに洗顔を行い、肌を清潔に保つ
  • 洗顔時やスキンケアを行う際には強くこすらないようにする
  • 紫外線対策を行う
  • 洗顔や就寝時の枕は清潔に保つ

 

ニキビを悪化させないようにするためには、ニキビを触ったり潰したりしないことが重要です。ニキビに触れることで刺激となり、手についている細菌や雑菌によって炎症が悪化する可能性があります。

 

さらに、ニキビをつぶすと皮膚へのダメージが広がり、瘢痕(修復できないクレーター状のニキビ跡)になる可能性もあります。ニキビをつぶすことで炎症や化膿を引き起こして、結果的に色素沈着につながる場合もあります。

 

また、肌のターンオーバーが乱れることが原因でニキビが改善しにくくなる場合があります。ターンオーバーの乱れを防ぐためにもバランスの良い食生活や質の良い睡眠を心がけ、運動や入浴で血流促進させます。

 

なお、ニキビを悪化させないためのセルフケアはニキビ跡を改善するためのケアと基本的に変わりません。ニキビ跡を改善するためのセルフケアを確認したい人は「自力で治せるニキビ跡の種類と治し方を解説」を確認してください。

 

皮膚科で自由診療の治療を受ける

ニキビ跡を改善するためのセルフケアを継続していても改善しない場合は、皮膚科で自由診療の治療を受ける方法もあります。ニキビ跡には複数の種類があり、なかには自力で改善しにくいタイプのものもあるからです。

 

【皮膚科でのニキビ跡の治療例(自由診療)】

ニキビ跡の種類

治療例

赤み

  • マイクロニードル
  • 光治療
  • レーザー治療

色素沈着

  • ピーリング
  • イオン導入・エレクトロポーション
  • 光治療
  • レーザー治療

クレーター

  • マイクロニードル
  • レーザー治療
  • サブシジョン
  • スキンブースター
  • 再生医療
  • 各種手術

ケロイド

  • ボトックス注射
  • レーザー治療
  • シリコンジェルシート

 

ニキビ跡のタイプや症状によって適する治療は異なります。また、これらの治療の中にはダウンタイムを要するものもあるため、医師に相談のうえ、治療を進めることを検討してください。なお、クリニックや病院で受けられるニキビ跡の治療方法を確認したい人は「ニキビ跡による色素沈着の原因と治療方法を解説」を参考にしてください。

 

まとめ

ニキビ跡を治すことは見た目を改善するための治療であるため、ニキビ跡の治療は原則として保険適用外です。ただし、ケロイド体質によるニキビ跡は、保険適用で受けられる場合もあります。

 

現在ニキビができている場合や治りかけのニキビがある場合は保険適用で各種の治療を受けるといいでしょう。保険適用でのニキビ治療に含まれるビタミン剤の服用によって、肌のターンオーバーが促進され、自然治癒が促される効果も期待できます。

 

保険適用での治療が難しい場合にニキビ跡を改善する方法として、セルフケアと皮膚科での自由診療があります。「ニキビができているか」「ニキビ跡ができてどれくらい時間が経過しているか」によって、適切な治療法を選択するようにしましょう。