ニキビ跡に悩んでおり、できれば自力でなおしたいと思っている人もいますよね。ニキビ跡は複数の種類があり、種類によって治療法が異なります。

 

当記事では自力で治せるニキビ跡の種類と治し方を解説します。セルフケアで改善しない場合の対処策も説明するので、ぜひ参考にしてください。

 

ニキビ跡は自力で治せる可能性がある

ニキビ跡の種類によりますが、生活習慣の見直しや市販薬の使用によって自力で改善できる可能性があります。

 

【ニキビ跡の種類】

ニキビ跡の種類

赤み

色素沈着

クレーター

ケロイド

状態

炎症の赤みが残っている状態

茶色や紫がかったシミのような状態

凹みのある傷跡

盛り上がった傷跡

自力での改善

×

×

 

赤みや色素沈着が見られるニキビ跡は、時間の経過とともに改善しやすい傾向があります。ニキビ跡がクレーターやケロイドになっている場合には自力での改善は難しい可能性があります。

 

ただし、赤みおよび色素沈着が見られるタイプのニキビ跡であっても肌質や加齢によってターンオーバーが正常に機能していない場合は自力での改善が難しい場合もあります。数か月から半年間、適切なセルフケアを行っていてもニキビ跡が消えない場合は、皮膚科専門医に相談することを検討してください。

 

赤み

ニキビの炎症や化膿により、皮膚の表面に傷がついた場合、赤みのあるニキビ跡になります。さらに、ニキビの炎症が長引いた場合にも赤みを帯びた跡が残る場合があります。

 

ニキビ跡の赤みを改善するためのセルフケアは「ターンオーバーを整える」「紫外線対策を行う」です。ニキビ跡の赤みの原因である炎症を抑え、自然治癒を促すためには、肌のターンオーバーを整える必要があり、肌の炎症を起こす要因となる紫外線を防ぐ必要があります。

 

なお、赤みのあるニキビ跡の治療方法は、症状に合わせて複数あります。自身に合った赤みのあるニキビ跡の治療方法を検討したい人は「赤みがあるニキビ跡の原因と治療方法を解説」を確認してください。

 

色素沈着

ニキビの炎症が治まったあとに茶色いシミのような色素沈着として残ることがあります。ニキビによる炎症でダメージを受けた肌のメラノサイトが活性化し、メラニンが生成されると色素沈着が起こります。

 

ニキビ跡による色素沈着は、肌のターンオーバーを促すことで数か月から半年程度で自然治癒する場合がほとんどです。肌のターンオーバーを促すためには、バランスの良い食事や質の良い睡眠を心がけ、肌に摩擦を与えないように適切なスキンケアを行いましょう。

 

なお、ニキビ跡による色素沈着は原因によって治療法が異なります。自分に合った治療法を検討したい人は「ニキビ跡による色素沈着の原因と治療方法を解説」を確認してください。

 

クレーター

ニキビの炎症が真皮におよんだ場合、肌にクレーター状の傷跡ができる場合があります。クレーター状のニキビ跡は自力での治療では改善しない場合がほとんどです。

 

クレーター状のニキビ跡を増やさないためには、新たにニキビができている場合はニキビが悪化しないように適切なケアを心がけるようにしましょう。

 

なお、医療機関での治療によって、症状が改善される場合もあります。できてしまったクレーター状のニキビ跡に悩んでいる場合には、医療機関での治療を検討してください。

 

ケロイド

ニキビの炎症が真皮におよんだ場合や体質によって、皮膚が盛り上がったケロイドになる場合があります。

ニキビ跡がケロイド化した場合も自力で治すのは難しいでしょう。

 

ただし、ケロイドには内服薬の服用や外用薬、テーピングやレーザーなど、医療機関でのさまざまな治療方法があります。

ニキビ跡がケロイドになったものについて自分に合った治療法を確認したい人は「Vビームはケロイドを改善できる?治療の回数目安を解説」を参考にしてください。

 

自力でニキビ跡を治す方法

自力でニキビ跡を治すために、日常生活の中で取り入れられる方法を試してみてください

 

自力でニキビ跡を治す方法

  • ビタミンB群やビタミンCの摂取を心掛ける
  • 適切なスキンケアを行う
  • 市販薬を使用する
  • ニキビを悪化させないようにする

 

ニキビ跡を治すためには、肌のターンオーバーを正常化および促進させる必要があります。バランスの良い食生活を心がける、睡眠不足を避け、適度な運動などでストレス解消するようにすることで、肌のターンオーバーは正常に働きます。

 

セルフケアによってニキビ跡を治すには、半年から1年程度かかるケースもあるため、根気強くケアを継続するようにしましょう。

 

ビタミンB群やビタミンCの摂取を心掛ける

ニキビ跡を改善するためにビタミンB群やビタミンCの摂取を心掛けるようにしましょう。ビタミンB群は肌の新陳代謝を促進させる作用、ビタミンCにはメラニン生成抑制作用やコラーゲン生成促進作用があるからです。

 

【ビタミンB群やビタミンCを多く含む食材】

ビタミンB群

<ビタミンB1>

豚肉、枝豆、豆腐、玄米

<ビタミンB2>

魚類(さけ・ます類)、パン酵母、卵、舞茸

<ビタミンB6>

赤身魚、ヒレ肉、ささみ、バナナ、唐辛子、ししとう、にんにく

<ビタミンB12>

魚類、貝類、ほしのり

<ナイアシン>

赤身肉、レバー、魚類、キノコ類,パッションフルーツ、アボカド

<パントテン酸>

鶏レバー、鶏ささみ、卵、魚類、たらこ、牛乳、豆類

<ビオチン>

肉類、魚類、卵、ナッツ類、きのこ類

<葉酸>

ブロッコリー、焼のり、きな粉、ドライマンゴー、豚レバー

ビタミンC

アセロラ、かんきつ類、キウイ、パプリカ、ブロッコリー,ピーマン

 

ビタミンB群は、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸の8種類です。ビタミンB群は、エネルギー代謝に必要なビタミンで、不足すると疲労感が抜けなくなったり、口内炎や肌荒れを引き起こしたりすることがあります。

 

ビタミンCは血管の健康や創傷治癒に必要なビタミンです。野菜や果物などの摂取が不十分な食生活によってビタミンCが不足すると、疲労感や筋力低下を引き起こし、毛細血管や骨が弱くなることもあります。

 

なお、ニキビ跡を改善するためには、ビタミンB群やビタミンCの摂取だけでなく、バランスに良い食生活は前提です。ビタミンB群やビタミンCを多く含む食材が苦手な人や通常の食事でまかないきれない場合には市販のビタミン剤を服用することも検討してみてください。

 

適切なスキンケアを行う

ニキビ跡を自力で治したい人は適切なスキンケアを行うようにしましょう。間違ったスキンケアによってニキビによる肌の炎症が悪化したり、肌のバリア機能が低下したりして、ニキビ跡の治癒に悪影響を及ぼす可能性があるからです。

 

たとえば、肌の炎症や色素沈着の悪化を防ぐためにも年間を通して日焼け止めを使用し、紫外線対策を行うようにします。また、肌のバリア機能が低下しないよう、洗顔やスキンケアを行う際には摩擦を防ぐことも必要です。

 

なお、ビタミンC誘導体が配合された化粧水や美白化粧水は、ニキビ跡の色素沈着を改善する作用はありませんが、メラニン色素の排出を促したり生成を抑えたりする効果が期待できる場合もあります。ニキビ跡による色素沈着が気になる人はスキンケアに取り入れることを検討してみましょう。

 

市販薬を使用する

ニキビ跡の改善に効果が期待できる市販薬を使用する方法もありますニキビ跡に使用できる市販薬には内服薬と外用薬があります。

 

【ニキビ跡に使用できる市販薬】

飲み薬

飲み薬

<有効成分>

ビタミンC誘導体、ヘパリン類似物質、グリチルリチン酸ジカリウム

<有効成分>

アスコルビン酸(活性型ビタミンC)、トコフェロール酢酸エステル(ビタミンE誘導体)、グリチルリチン酸ジカリウムほか

<有効成分>

L-アスコルビン酸 2-グルコシド、アルブチン、トコフェロール酢酸エステル

<有効成分>

グルクロノラクトン、ビタミンB2、ビタミンB6、生薬ヨクイニン、L-システイン

<有効成分>

L-システイン、ビタミンC、パントテン酸カルシウム

<有効成分>

アスコルビン酸(ビタミンC)、L-システイン、ビタミンB2、ビタミンB6、コハク酸d-α-トコフェロール(天然型ビタミンE)

 

市販薬を選ぶ際には、配合されている有効成分に着目しましょう。塗り薬に配合されているビタミンC誘導体やL-アスコルビン酸 はメラニンの生成を抑えたり防いだりする効果が期待できます。また、飲み薬に配合されているL-システインは肝臓の解毒作用や皮膚の代謝への効果が期待できる成分です。

 

ただし、これらの薬の成分は病院で処方される薬よりも効果は弱い傾向にあります。ニキビ跡の状態に応じて適宜セルフケアに取り入れることを検討してください。

 

ニキビを悪化させないようにする

ニキビ跡を増やさないためにできてしまったニキビを悪化させないようにしましょう。特にニキビ跡以外にもニキビがある場合にニキビをつぶして膿を出すと、炎症を起こしてさらにニキビ跡が増える原因となります。

 

【ニキビを悪化させないために行えるセルフケア】

  • ニキビを潰さない
  • 質の良い睡眠をとる
  • バランスの良い食生活を心がける
  • 運動や入浴で血流を良くする

 

ニキビを悪化させないためのセルフケアはニキビ跡を改善するためのケアと基本的に変わりません。肌のターンオーバーを整えるためにバランスの良い食生活や質の良い睡眠を心がけ、自律神経の乱れによって血行不良になり、結果的にターンオーバーが乱れることを防ぐために、運動や入浴で血流を良くします。

 

どうしてもニキビをつぶしたくなってしまう場合やニキビがふえている場合には、悪化を防ぐためにも皮膚科の受診を検討するのも一案といえるでしょう。皮膚科では「面ぽう圧出器」という器具を使用してニキビのしこり部分から膿や皮脂を絞り出す「ニキビ圧出」を受けられる場合もあります。ニキビ圧出は、保険適用で受けられるため、ニキビができるとつい触ってしまう傾向がある人は皮膚科専門医に相談してください。

 

改善しない場合には専門医に相談する

ニキビ跡を改善するためのセルフケアを継続していても改善しない場合は専門医に相談しましょう。ニキビ跡には複数の種類があり、なかには自力で改善しにくいタイプのものもあるからです。

 

【専門医によるニキビ跡の治療例】

ニキビ跡の種類

赤み

色素沈着

クレーター

ケロイド

治療法の例

  • 内服薬および外用薬療法
  • マイクロニードル
  • 光治療
  • レーザー治療
  • 内服薬および外用薬療法
  • ピーリング
  • イオン導入、エレクトロポーション
  • マイクロニードル
  • 光治療
  • レーザー治療
  • サブシジョン
  • CO2アブレージョン
  • フラクショナルレーザー
  • マイクロニードル
  • 光治療
  • 培養表皮移植治療

 

  • 圧迫療法
  • 内服薬および外用薬療法
  • 局所注射療法
  • フラクショナルレーザー
  • 手術

 

専門医によるニキビ跡の治療はさまざまな方法があります。専門医に相談し、適切な治療を受けることでセルフケアを行うよりも早く改善する場合や新たにできたニキビも併せて治療できる場合もあります。

 

セルフケアを行っているにも関わらずなかなかニキビ跡が改善したい人や、ニキビ跡をきれいに治したい人は、最新の医療機器を扱っている病院やニキビ治療を多く行っている皮膚科専門医を受診することを検討してください。

 

まとめ

ニキビ跡には「赤み」「色素沈着」「クレーター」「ケロイド」があり、種類によっては自力で治せる可能性があります。

 

ニキビの炎症や化膿によって毛穴周辺に赤みが残っている赤みを帯びたニキビ跡やニキビによる炎症でダメージを受けた肌にメラノサイトが活性化し、メラニンが生成されて色素沈着が起こった状態のニキビ跡は自力で治せる傾向があります。

 

自力でニキビ跡を治すためには、ニキビを悪化させないようにし、「ビタミンB群やビタミンCの摂取」「適切なスキンケア」を心がけましょう。また、市販の塗り薬や飲み薬をセルフケアに取り入れる方法もあります。

 

なお、自力で改善しにくいタイプのニキビ跡を改善したい場合や、セルフケアを継続していてもニキビ跡が改善しない場合は皮膚科専門医に相談しましょう。皮膚科専門医で適切な治療を受けることで、セルフケアを行うよりも早く改善するケースや、新たにできたニキビも併せて治療できるケースもあります。