傷跡やニキビ跡のケロイドが気になり、治療を検討している人もいるのではないでしょうか。Vビームは異常のある毛細血管のみに反応するレーザー医療機器ですが、肌の赤みやニキビ跡だけでなくケロイドの改善にも効果が期待できます。
当記事では、ケロイドを改善する場合のVビーム照射の回数目安や照射後の経過についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
Vビームは赤みのあるケロイドの改善に有用
Vビームは赤みのある状態のケロイド改善に有用です。Vビームはヘモグロビン色素に反応し、異常のある毛細血管を選択的に破壊できるレーザーだからです。
ケロイドとは傷が治る過程で毛細血管が増殖してしまい、膠原線維(コラーゲン)ができて盛り上がっている状態を指します。傷口は通常始めの3か月程度に赤みと固さがある状態が続いた後に白く平坦な状態になりますが、ケロイドができてしまうと赤みがひかずに肌に残ってしまい、自然治癒することもほとんどありません。
ケロイドの赤みは、皮膚の深部にある真皮で炎症が続くことにより生じるものなので、赤みの原因である毛細血管をVビームで照射することで、ケロイドの赤みを目立たなくする効果が期待できます。
なお、Vビームはケロイドによる赤みの改善には効果がありますが、ケロイドによってできた皮膚の盛り上がりは解消できません。盛り上がりを解消するには別の治療方法が必要になるので、専門医に相談をして適切な治療を進めるようにしましょう。
Vビーム以外の治療方法を併用することもある
Vビームは赤みを改善する治療方法であり、単一でケロイドを治療できるわけではありません。体質や症状に応じた処置が必要になるため、ケロイドには複数の治療方法があり、併用する可能性もあります。
【Vビームと併用する治療方法の例】
治療目的 | 治療方法の例 |
安静を保つ | <圧迫療法>
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炎症を抑える | <内服薬療法>
<外用薬療法>
<局所注射療法>
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赤みや盛り上がりの改善 | <レーザー治療>
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ひきつれ(瘢痕拘縮)や醜状の防止・改善 | <手術>
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ケロイドの初期段階に対しては、「保存的治療として飲み薬・塗り薬」や「貼り薬やサポーター、包帯での固定・圧迫」などによって傷を安静に保ったり炎症を改善したりするケースがあります。また、ケロイドが肥大した場合やひきつれがある場合、手術による治療が適することがあります。
なお、ケロイドの治療は、体質・年齢・ケロイドのできた場所や症状によって適する治療方法が異なります。ケロイドに悩んでいる人は皮膚科専門医やケロイドに特化した外来を設けている病院の医師に相談してみましょう。
ケロイドの改善には複数回のVビーム照射が効果的
ケロイドの改善には複数回のVビーム照射が効果的であるとされています。ケロイドに限らず、レーザーによる治療は数週間から1か月に1度程度、間隔をあけて複数回照射を行い、徐々に改善していく方法だからです。
Vビームでのケロイド改善の照射回数には症状によって個人差があるものの、おおむね5回程度照射が必要となる傾向があります。Vビームによる治療は、照射範囲によって異なる料金が設定されている病院が多く、都度払いだけでなく、「3回」「5回」などあらかじめ複数回の照射プランが設けられている場合もあります。
なお、ケロイドへのVビーム照射は保険適用外です。ケロイド治療を検討しており、費用が気になる人は事前に病院に確認するようにしましょう。
まとめ
Vビームはヘモグロビン色素に反応し、異常のある毛細血管を選択的に破壊できるため、赤みのある状態のケロイドの治療にも有用です。ケロイドの赤みは、皮膚の深部にある真皮で炎症が続くことにより生じるものなので、赤みの原因である毛細血管をVビームで照射し、赤みを目立たなくする効果が期待できます。
Vビームは、ケロイドの外観上の問題を解決する治療方法として利用される傾向がありますが、ケロイドの治療には、「圧迫療法」「外用薬」「内服薬」「注射」など複数の方法があります。痛みやかゆみを伴う場合やケロイド体質は、複数の治療方法を組み合わせたり、経過を見ながら段階的に治療方法を変更したりして症状を改善していきます。
ケロイドに限らず、レーザーによる治療は数週間から1か月に1度程度、間隔をあけて複数回照射を行う必要があり、ケロイドの改善には5回程度のVビーム照射が必要となる傾向があります。ケロイドへのVビーム照射は保険適用外となるため、ケロイド治療を検討しており、費用が気になる人は事前に病院に確認するようにしましょう。